パワハラ法整備、企業に防止義務付け 審議会が報告書了承

 厚生労働省は14日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)に職場のパワーハラスメント
(パワハラ)の対策に向けた報告書を示し、了承された。企業に防止措置を講じるよう法
律で義務付けることが適当とした。パワハラをした人の処分規定を設けることなどを求め
る見通しだ。
 厚労省は報告書をもとに法案をつくり、2019年の通常国会へ提出をめざす。労働施策総
合推進法を改正し、防止規定を盛り込む方針だ。
報告書はパワハラ防止について「喫緊の課題であり、対策の抜本的強化が社会的に求めら
れている」と指摘。そのうえで法律による企業への防止義務が適当とした。
具体的な内容は今後の指針で示すが、処分規定や相談窓口の設置、相談者らのプライバシー
の保護などを求める見通しだ。
報告書はパワハラやセクシュアルハラスメント(セクハラ)は「許されないものである」と
の趣旨を法律で明確にすることが適当とした。企業や労働者に言動への注意を求め、抑止効
果を高める狙いがある。
一方、労働側が求めていた損害賠償請求の根拠となる禁止規定は見送った。今でも悪質な場
合は刑法違反に当たり、損害賠償請求の対象になる。民法など他の法令との関係の整理や違
法行為の要件の明確化など課題が多いとした。
パワハラの定義については(1)優越的な関係に基づく(2)業務上必要な範囲を超える(3)身体
的・精神的な苦痛を与える――の3つの要素を満たすものとした。上司が部下に不必要な暴言を
吐くことはパワハラと認定されそうだ。指針でさらに具体的な事例を明示する。
セクハラは男女雇用機会均等法、マタニティーハラスメント(マタハラ)は育児・介護休業
法などで防止措置を課している。労働局への労働相談ではパワハラを含め「いじめ・嫌がら
せ」に関する相談は17年度に約7万2千件に上る。社会的な関心も高まり、パワハラにも法
律による規制の強化が必要だと判断した。
また、最近は取引先など社外からの嫌がらせも問題になっている。報告書は取引先や顧客か
らの著しい迷惑行為についても、企業が取り組むことが望ましい対策を指針で周知するとした。


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