パワハラに罰則含め法規制 政府検討 対象の線引きに課題

 職場におけるいじめや嫌がらせなどのパワーハラスメント(パワハラ)に対し、政府が罰則を含めた法規制の検討に着手したことが26日、分かった。パワハラを原因とする「心の病」が増えており、最悪の場合には自殺に至る恐れもあることから、労働者側から規制導入の声があった。ただ、どのような行為が規制対象になるかは線引きが難しく、導入に向けて紆余(うよ)曲折が予想される。

 厚生労働省によると、パワハラは労働者の生産性や意欲の低下を招き、個人にとっても会社側にも「大きな損失」と認識。これまでも対策マニュアルを作成したり、ポスターの掲示やセミナーの開催などで啓発に努めてきた。

 しかし、パワハラの悩みは年々、深刻化している。都道府県の労働局に寄せられたパワハラ相談は平成14年度に6600件ほどだったが、21年度に3万5759件、28年度は7万917件と、認知度の高まりとともに急増。28年度に精神疾患にかかり労災認定された498件のうち、原因で最も多かったのが「嫌がらせやいじめ、暴行」(74件)だった。

 現状では、労働基準監督署には会社に対し改善を促す強制力が与えられておらず、具体的な取り組みは会社側の自主的努力に委ねられている。

 このため、政府は拘束力のある法規制の導入を検討しているが、厚労省によると、人によりパワハラの受け止め方が異なり、業務上の「指導」とみられるケースもあることから、会社側の責任を明確に問うのは難しいという。


一覧に戻る